お昼休みに思わずパシャリ。
最後のお昼休みでした。
ということで、記念に撮った写メは一つ下の記事です。
嬉しかった。
感情に出来ない、嬉しさ、かもしれない。
あ、因みに私のお昼ご飯は一緒に写ってるチョコです。笑
ポッキーは皆にあげた分です。
皆からも貰いましたが、食べ切れなかったので今は冷蔵庫…。
とりあえず、続きから今日の感想です。
というか、オリジナル小説です。
「area」ではなくて「先生」のほうで。
―――
彼女は泣いていた。
ぽろぽろ。
涙が、零れて。
ぽろぽろ。
私はしゃがみこんで、その涙を拭ってやる。
冷たい、けれど、暖かい頬に同化するような涙だった。
澄んでいた。
「何か、あったの?」
少女は首を横に振った。
「お腹、痛い?」
少女はまた首を横に振った。
「柊先生に診てもらう?」
「…っ、だ、大丈夫、だもん」
「うん」
私は少女の小さな頭を撫でた。
少女は私の腕の中にすっぽりと収まった。
涙が服を濡らしていく。
それを見ていたのか、ガラス越しに柊先生がこちらを見てきていた。
「それ、誰?」
「ここの子よ」
「ああ、君からすれば家族」
「貴方も今では家族みたいよ」
「あ、そうなの?」
「ええ」
柊先生はそんなものなのかと首を傾げている。
そんな柊先生に苦笑して、私は少女の頭を撫でた。
朝、二つに結んであげた髪が解けそうだった。
泣いたのだろうか。
走ったのだろうか。
何か、伝えたかったのだろうか。
私は少女を抱きしめたまま、微笑んだ。
「どうしたの?」
「お菓子、もらったの」
「お菓子?」
「今日、で、最後の、学校だからって」
皆でパーティーをしたの。
少女は言う。
足元の鞄を見れば、溢れんばかりのお菓子が入っていた。
「なんだか、涙が、止まらないの」
「どうしてだろう?」
「嬉しいの。嬉しくて、暖かくて、優しくて」
孤児院に入れられてから、少女は人と接することをやめていた。
人を嫌っていた。
親切という言葉を、忘れていた。
誰かという他人の存在を、忘れていた。
少女にあったのは、もしかしたら家族という言葉だけだったのかもしれない。
私は何故だか胸が暖かくなり、少女を抱きしめた。
「そっか」
「それで、ね。皆がね、お菓子をくれるの」
「ちゃーんと、お返しできた?」
「だって、昨日お菓子パーティーをやるって聞いてたもん」
「そっか」
「でも、ね」
想像していたのよりも。
「ずっと、ずっと、楽しくて」
このときがとまればいいのに。
はじめてめばえたかんじょう。
「卒業、したくないよう」
少女は初めて泣いたようだった。
私は、嬉しくて。
何故だか嬉しくて。
少女を抱きしめる。
少女は、少女と言ってももう高校生だった。
昔から精神病を患っているので、感情のコントロールが上手くいかないのだ。
だから、こんなに幼く見えるのだろうか。
身長も150センチにも満たない。
だから、こんなに小さく見えるのだろうか。
無邪気に涙を流して、人と触れ合うことに喜ぶ少女。
だから、こんなに、こんなに純粋で、愛しいのだろうか。
「そっか、そっか」
「でも、卒業、したいなあ」
「そっか」
私は笑う。
見れば、柊先生も窓越しにこちらを見て笑っていた。
その姿が可笑しくて。
愛しくて。
冬の冷たい寒空の下、私は小さな温もりを知った。
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