フゥツナを書くたびに思っていたことがありました。
どうも、私の中でのフゥ太のイメージは私が生み出したモンブランという子にそっくりなのですよ。これがまた。
モンブランというのは、オリジナル小説「area」の中で生まれた子です。そのモンブランに純粋さとか可愛さを足した感じたがフゥ太のイメージなのですが、どうもフゥ太の言動が捻くれる理由はモンブランにあるのではないかと思いました。なんだこれ。
因みに他の登場人物を紹介しますと、ジョーという女性が主人公です。雲雀さんのような性格で女の子の優しさとか弱さを持っている子です。モンブランは自由奔放でジョーにべた惚れしていますが本当に好きなのかは書いている私自身がわからないぐらいわかりません。あとは、ジョーの元婚約者のコンとか殺し屋のコロちゃんとかジョーの祖母のスズネとか居ます。すさまじいネーミングセンス。
(追記)
暇つぶしにこんなの見つけて答えてみました。
オリキャラさんに15+1の質問。
手っ取り早い話は、続きから。
―――
面白くないことが世の中には溢れていると、私は嘲笑した。
例えば、こうして過ごす時間が面白くない。
何も生み出さない時間に、意味などあるのだろうか。
「それは、ジョーが時間に追われる生活をしていたから言えることだよ」
「私は、時間に追われたことなんてないわ」
「心のどこかで、追われてる」
モンブランの笑顔に、それもそうかと考える私。
思い当たる節はあるのだが、口に出すとモンブランの言葉を肯定するようで嫌だった。
口を閉ざした私にモンブランは楽しそうに笑う。
愉快そうな笑顔の裏で、何を考えているのだろう。
いや、それこそ考える意味がないというものである。
「義務感とか、劣等感とか、色んなものに追われてる」
「モンブランは私の心が読めるの?」
「僕の勘だよ。ジョーにしか、通用しないけどね」
「それじゃあ、意味はないわ」
私の心など、読んでも面白くないだろうに。
実際にその心の持ち主である私が思うのだから。
「寂しいわね、空洞が、ぽっかり」
私は呟いた。
胸につめたい風が吹き抜けた。
暑い夏の日、窓は全開に開いていた。
「僕の胸の中も、空洞だよ」
「モンブランは頭の中も空洞じゃないの?」
「それは酷い」
本当に酷いと思っているのかと疑うほどの満面の笑顔で、モンブランは答える。
「僕の頭の中は、いつでもジョーのことで一杯なのに」
「なら、私が消えたらモンブランの頭は空っぽになるの?」
私という存在を消せるならば、何でもしよう。
皮肉染みた私の言葉に、モンブランは皮肉などしらないと言った。
「僕は、今まで一緒に居たジョーという存在だけでも生きられる。空っぽにはならないよ」
「つまらないわね。寂しいぐらい、空しいわ」
「寂しいなら、泣けば良いのに」
「泣いたって何も変わらない」
「それは、実際に泣いた人間が言うことだ」
それもそうだと思った。
私が最後に泣いたのはいつだろう。
しかし、モンブランの想像以上に私は涙もろい。
それさえも、彼は知っていると言うのだろうか。
「モンブランは、実際に泣いたから言えるの?」
「僕は、生まれたときしか泣かなかったよ」
こんな世界に生まれた瞬間に、泣いた。
「私と出会ったときは?」
「嬉しい立場に涙なんていらないよ。泣くだけ損。僕は、ジョーのためにしか涙を流さない。それでも、ジョーが泣けといっても僕は泣かない」
「酷い虚勢ね」
「そんな虚勢で僕はここに存在してる」
「泣き虫なモンブランはいらないわ」
「ジョーのことは、なんでもわかってるって言ったでしょ?」
予測していたという笑顔に、私は小さくため息をついた。
いつの間にか、冷たい風は止んでいた。
―――
この小説で捻くれていない子を探すほうが大変です。
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