向かい風まで吸い込めたら。

ふふふ、最近、このＰＣ止まりやすいんですよ…。
特にメロパに接続していると、ね…。
一度書いた小説が見事に消えました。

悲しみ混じりにオリジナル小説でも書きます。
「私生活」をテーマに。
つづきからどうぞー。

―――
いかないで！
いかないで！
いかないで！
沢山の馴れ合いも浪費している。
行ったり来たり、繰り替えし。
僕は一人よいしょする。

「貴方の目には、情けなさ過ぎて哀れに違いない」
「そんなこともない」

彼女は髪を抑えた。
向かい風が僕たちを揺らす。
既存の地図を暗記しても、きっと。
貴方へ向かう僕。
貴方へ依存する僕。
包帯を巻いた手を隠そうともせず、彼女は向かい風に立っていた。
ああ、風向きが変わる。
ああ、貴方が元気な日はそっと傍にいたい。
ゆっくりと僕は貴方の手を握り締めた。
生きている貴方は、いつでも僕を生かす。
だから、いかないで！
いかないで！
いかないで！
僕は、僕は僕は僕は。
僕は、貴方の手を握り締めることしか出来なくて。
酸素と海とガソリンと。

「沢山の気遣いを浪費している」

彼女は呟いた。
彼女のために。
生活のために働いて、僕は町を平らげる。
左に笑う貴方の頬の仕組みが乱れないように。
右で笑う僕の頬の仕組みがばれないように。
追い風に吹かれる僕たち。

「振り返れば、思い出」

貴方は呟く。
振り返らずに、岐路につく帰り人。
貴方たちの行く先はどこへ向かっているの。
僕には問いかけることも出来ないことを彼女も考えているのだろうか。
現在地を教えて。
向かい風を吸い込めたら、やっと新しくなる。
羅針盤よ、現在地を教えて。
例え、行く先が貴方でも。
現在地を教えて。

「思い出の中に、僕たちは立っている」
「貴方が元気なら」
「そっと、傍にいたい」

ねえ、あとどのくらいいきられるんだろう。
いかないで！
いかないで！
いかないで！
追いつかせて。
待って、あと少しだけ。
生きている貴方は何時でも遠退いて僕を生かす。
僕は貴方がいなくなったら。
貴方という存在が遠退いたときのことなど貴方は想像もしないのだろう。

「手を握り締めて、良い？」
「もう握っている」
「そうだ」

僕は苦笑した。
夕日も秋も日曜も。

「沢山はない出会いも浪費している」

こうして手を握って何が変わるのだろう。
でも、でもでもでも。
僕は、貴方の手を離すことなど出来なくて。
現在地は貴方のすぐ傍。
包帯を巻く貴方の姿が貴方の私生活。
貴方の傍にいる僕が僕の私生活。
二人の私生活は違うのだろうか？
ううん、そんなのわからない。

―――
よくわからなくなりました。あれ。←