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ベッドから一向に出てこようとしない兄の姿に、ルルーシュは盛大なため息をついた。
「クロヴィス兄上、いい加減にしてください」
毎朝繰り広げられるこの光景。
流石に飽きてくるというものだろう。
ルルーシュの突き刺さるような呆れた視線に、布団の下から手が伸びた。
まるで自分をこちらに呼ぶような動きに、ルルーシュは首をかしげながらも近づく。
「どうしました?」
「…気持ち悪い」
「は?」
「だから、寝てる」
「…兄上、いい加減にしないとまた怒られますよ」
どこぞの総督ではなかったのか。
そう問いかけるルルーシュに、クロヴィスは無言のままである。
さて、どうしようとルルーシュが首を傾げていると、たまたま通りかかったのかシュナイゼルが顔を出した。
「何してるんだ、ルルーシュ」
「ああ、兄上、これなんとかしてください」
「クロヴィスか?」
「はい」
きっぱりと頷き返してきた弟にシュナイゼルは苦笑する。
そして、布団の中でいまだ蹲るクロヴィスに声をかけた。
「クロヴィス、またやってるのか?」
シュナイゼルの問いに答える気が無いのか、無言のままのクロヴィス。
ルルーシュと顔を見合し、シュナイゼルは再度口を開いた。
「気分が優れないのもわかるが、毎日これでは駄目だ。どこかで頑張らないと」
「そうですよ。いい加減にしてください」
二人からの視線に、布団が動く。
そろそろ出てくるだろうか。
そう思っていると、突然クロヴィスは姿を現し不機嫌そうに眉を寄せた。
「兄上たちにわかりますか!この気持ち悪さ、頭痛!歩くたびに頭は割れるように痛いですし、腹痛は酷いですし、お陰で腰痛にもなってしまいましたし、気持ちわるくてご飯は食べられないからと栄養失調で体の節々は痛み始めますし、実際しゃべるたびに嘔吐感が…げほっ!」
一気にまくし立て、気持ち悪くなったのかクロヴィスは口を手で塞ぐと再度布団の中に閉じこもる。
その姿に残された二人はぽかんとしてしまった。
「…今日は、免除とか?」
「まあ、仕方ないだろうな」
再度顔を見合わせる二人に、クロヴィスの大声でたたき起こされたコーネリアは小さくため息をついた。
「だからお前らは甘いんだ」
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早く風邪が治らないかと願う日々が続いています。というか本当に単位とかどうするのですかこれ…。
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