ビーフカレー、大丈夫かしら。
放置…。←
とりあえず聞きたかったので、グレイのミラーを聞いています。
時折無性に聞きたくなります。愛。
因みに一個前の記事はアレです。グレイのFC会報(母の)です。
むりやり入会させました。
さて、そんな話はおいておきまして。
新年一発目の小説はareaにしたいなあと思っていました。
やっぱり、オリジナル小説が好きです。
この子達とつきあってから、もう一年過ぎるのですよね…。多分。
つづきからオリジナル小説です。
―――
日が昇る。
暗闇に包まれた山間が、薄っすらと仄かに赤みを帯びる。
私はそれを見ていた。
「おめでとう」
「何が?」
振り向いた先には、コーヒーを持ったモンブランの姿。
モンブランは笑顔で言った。
清清しい笑顔が、朝日に照らされている。
朝日は体内時計の調節をしてくれるらしいと、以前誰かが言っていた。
そんなことを思った。
「あけまして、おめでとう」
「あら、もう年が明けたの?」
「珍しいね。こんな行事に参加しないジョーが、年が明けるまでわざわざ起きて過ごしたの?初日の出を見ていたの?珍しい!」
「ただ、書類が溜まっていただけよ」
そうか、今日から新年か。
私は淡々と返事を返しながら、打ち終わったばかりの書類に目を通していく。
実家に提出する分の書類は、これで終わった。
これで、今日からまた新しい一年をはじめることができる。
私も、皆も。
「どんな書類?」
「ここに誰がいるかとか、その程度の書類」
「珍しいね。時間がかかったの?」
「皆、隠したがるから」
「僕もジョーも、その一員」
「そうね」
私は笑う。
誰も自分を暴こうとしないこの世界。
自分を晒すことは時に凶器となる。
ジョー。
私は、ジョーで良い。
「ああ、だからコンが朝から車を飛ばしてたのね」
「あのポンコツ?」
「そうよ」
「コンはここでは立派な人間だなあ」
初詣なんか興味ない。
モンブランは笑って言い切った。
「それよりも、ジョーとこうしているほうが、幸せだもん」
「つまらない」
「コロちゃんは?」
「コロちゃんは朝から仕事。ああ、私もまだ仕事があったわ」
不意に私は思い立った。
「スズネに、今年分の燃料をあげてこないと」
冷たい感情が胸を過ぎった。
気のせいだ。
私は立ち上がる。
そんな私の後姿を見て、モンブランは優雅にコーヒーを飲んでいた。
私が帰ってくる頃には、用意されたもう一つのコーヒーは冷め切っているだろう。
「モンブラン」
「ん?」
「A new year」
「happy?」
「no」
何が幸せかわからないわ。
「年が明けて、何が面白いの?」
私の問いかけに、モンブランは笑った。
「ジョーと過ごす一年が、また増えたこと」
「そう」
相変わらず。
今年も、始まった。
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